
口ひげやあごひげと言えば男性の悩みだと思われがちですが、近年では女性の方も口ひげやあごひげに悩まされるようになってきました。
巷では「女性のオス化」とも言われていて、ホルモンバランスが関係してヒゲが濃くなることもあります。
しかし、口ひげだけではなくその他の部位の毛が濃くなっていると言う場合は「多毛症」の可能性も考えられます。
特に脇やVIOと言ったもともと毛が濃い部分ではなく、本来は産毛しか生えていないような背中や腕、お腹等の毛が濃くなってきている場合は多毛症の可能性が非常に高くなります。
多毛症と聞くと毛量が増えると思ってしまう方も多いと思いますが、実はそうではなく産毛のような細い毛が濃く太くなって生えてくる「毛質の変化」の症状になります。
また、毛質の変化だけではなく月経不順やニキビができやすくなると言ったような症状も現れてきます。
ですから、鼻下に濃いひげが生えてきたり、月経不順が起こったり、ニキビが良くできると言った症状に心当たりがあると言う人は多毛症の可能性が非常に高いと言うことになります。
今回は、多毛症の症状や原因、それから改善方法について解説していきたいと思います。
目次
多毛症の症状と原因について
多毛症の原因の1つとして考えられるのは、「生活習慣の乱れ」になります。
他にも「卵巣・副腎・甲状腺」等の疾患の可能性も考えられますので、口ひげが濃くなってきたと感じ始めたらすぐに病院でホルモン検査を受けるようにしてください。
多毛症の症状か判断する方法は、「鼻下・あご・背中・腕・太もも」等の本来は産毛しか生えない個所のに急に太く濃い毛が生えてきた場合になります。
さらに、生理不順やニキビや吹き出物ができやすくなった場合は多毛症の可能性が非常に高くなります。
また、生活習慣の乱れが原因で女性ホルモンのバランスが崩れて起こる多毛症のことを「男性型多毛症」と言います。
多毛症とは
多毛症とは、男性や女性に起こる症状で性別年齢関係なく起こる症状になります。
体毛が局所的または全体的に異常なまでに濃くなる症状で、本来産毛しか生えないような箇所でも太く濃い毛に変化してしまう症状になります。
男性型多毛症とは
男性型多毛症とは女性の方がなりやすい多毛症で、女性ホルモンのバランスが崩れることによって、男性ホルモンが優位性に立ち起こる多毛症になります。
症状は一般的な多毛症とほぼ同じで、体毛が局所的または全体的に異常なまでに濃くなる症状で、本来産毛しか生えないような箇所でも太く濃い毛に変化してしまう症状になります。
薬剤によって起こる多毛症
多毛症の原因の一つに薬剤の影響で起こる多毛症があります。
「副腎皮質ステロイド薬・免疫抑制薬のシクロスポリン」等の全身投与により多毛症の原因になります。
ステロイド外用薬を塗布することで、塗布した箇所だけ多毛になることもあります。
男性型多毛症になると口ひげや体毛が濃くなるだけではない!?
男性型多毛症になると、口ひげや体毛が全体的に濃くなるだけではありません!
男性型多毛症は、以下のような症状が現れる場合もありますのでご注意ください。
- 全身の毛が濃く太く硬毛に変化する
- 月経不順が起こりやすくなる
- ニキビ(吹き出物)ができやすくなる
- 髪の毛が抜ける
女性ホルモンのバランスが崩れて起こる男性型多毛症になると、上記のような症状も現れはじめます。
上記でも言いましたが、多毛症の症状は毛量が増えるのではなく毛質が変化すると言うことになります。
さらに、月経不順を引き起こしたりニキビなどの肌トラブルも増えます。
しかも、最も恐ろしい症状が髪の毛が抜ける「FAGA(女性男性型脱毛症)」になります!女性特有の脱毛症で「びまん性脱毛症」とも言われています。
体毛は濃くなるのに頭髪だけが薄くなると言う恐ろしい症状になります。
生活習慣の乱れから来る女性ホルモンの乱れは、さまざまな症状を引き起こしてしまいますので、口ひげだけの問題では済まなくなってしまうのです。
また、多毛症の原因に重大な病気の可能性がある場合もありますので、少しでも上記のような異変を感じましたらすぐに専門医に相談するようにしてください。
多毛症の症状が出たらすぐに病院で検査を受けることをおすすめします!
多毛症はただ体毛が濃くなるだけではなく、重大な病気のサインでもあります。
ですから多毛症の症状が出ましたら、すぐに病院に相談するようにしてください!まずは病院でしっかりと検査を受けて、多毛症を引き起こしている原因を明らかにした方が良いでしょう。
そして、万が一重大な病気が原因だった場合は、直ちに治療を開始し医師の指導の基日々の生活習慣を見直すようにしてください。
そうすることで、多毛症も改善されますので口ひげの悩みも改善されるようになります。
ちなみに多毛症の症状が出た場合に相談する病院は、「婦人科」もしくは「皮膚科」になります。婦人科でホルモン検査を行い多毛症の原因を明らかにしてください。
突発性多毛症とPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
女性の多毛症の原因のほとんどが女性ホルモンのバランスが崩れて起こる男性型多毛症になります。
男性型多毛症の9割以上が「突発性多毛症」と「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)」になります。
このうちの突発性多毛症の場合は原因不明で、多毛症の約半数を占めています。
突発性多毛症の場合は、多毛症以外の症状はみられませんので、生活習慣の改善と処方薬の治療で改善します。
一方PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合は、10~40代前半の女性の内約5%の方がかかる病気で、卵胞が育つのに時間がかかりなかなか排卵しない疾患になります。
この場合は「不妊」の原因にもなりますので一刻も早く改善しておいた方がいいでしょう。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の自覚症状について
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)かどうかを判断するために、一部の自覚症状の例を挙げておきます。
- 毛深い
- 月経不順になった
- 月経周期が35日以上
- ニキビができやすくなった
- 肥満体質
上記のような自覚症状がある方は、早急に婦人科に相談するようにしましょう。
多毛症の治療内容について
多毛症の治療内容はさまざまで、相談する病院や症状によって異なります。
一般的な多毛症の治療内容は以下になります。
- 抗男性ホルモン剤(内服薬・注射薬)
- ホルモン補充療法(低容量ピル・フィナステリド等)
- グリスリン
- レーザー脱毛
一般的に多毛症の治療内容は上記になります。
どの治療法で治療を進めていくのかは相談する病院や多毛症の症状によって異なりますので、婦人科もしくは皮膚科に相談するようにしましょう。
多毛症の治療薬について
多毛症の治療薬についてご紹介していきます。
スピロノラクトーン
女性の多毛症の治療薬で、欧米で注目されている抗男性ホルモン剤「スピロノラクトーン」があります。
スピロノラクトーンは利尿剤として30年以上の実績がある薬で、抗男性ホルモン剤としても効果を発揮します。
利尿剤の効果としましては、カリウムを体内に残したままナトリウムを排出する事が可能で、「高血圧症」や「心臓疾患」に効果があります。
女性の多毛症や男性型多毛症に対する効果は、抗男性ホルモン剤で、服用することで男性ホルモンの量が減少し多毛症に効果を発揮してくれます。
用法用量に関しましては専門医にそれぞれ確認するようにしてください。
低用量ピル
低用量ピルはさまざまな効果を発揮し、多毛症や男性型多毛症にも効果を発揮します。
日本国内では30万人以上の女性が服用している医薬品になります。
低用量ピルはホルモン補充療法に使用される薬で「多毛症治療・脱毛症治療(男性型脱毛症・円形脱毛症)・ニキビ治療」などに使用されます。
低用量ピルの主な効果は、
- 多毛症の改善
- 脱毛症(男性型脱毛症・円形脱毛症)の改善
- ニキビの改善
- 月経に伴う諸症状(月経痛・月経前症候群)の改善
- 子宮内膜症
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 更年期障害の諸症状の改善
- 卵巣のう腫良性乳房腫瘍
- 子言外妊娠の予防
- 骨粗しょう症の予防
になります。
低用量ピルはさまざまな症状に効果を発揮しますが、用法用量は症状によって異なります。
また、副作用の心配もありますので、必ず医師に相談のもと処方してもらい用法用量を守って服用するようにしましょう。
グリスリン
グリスリンは多毛症や多毛傾向の改善に効果的な治療薬で、キノコのマイタケから抽出された天然成分であることから、安全性に優れた薬になります。
主成分は「グルコプロテイン」と言われる糖タンパク質で、インスリン抵抗性を改善する作用があります。
グリスリンが効く症状は、
- 多毛症
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 子宮内膜症
- 卵巣のう腫
- 肥満症
- 糖尿病
- メタボリックシンドローム
- 原因不明の男性ホルモン値が高い人
になります。
グリスリンは、さまざまな症状に効果を発揮しますが、用法用量は症状によって異なります。
また、副作用の心配もありますので、必ず医師に相談のもと処方してもらい用法用量を守って服用するようにしましょう。
まとめ
女性の方で急に口ひげや体毛が濃くなった場合は、何かしらの病気のサインかもしれません!
急に毛が濃くなった、月経不順になった、ニキビがよくできる等の症状が表れた場合は一人で何とかしようとせずに、婦人科もしくは皮膚科に相談するようにしましょう。
多毛症でも重大な病気が原因でない場合は、生活習慣の改善と内服療法で改善することができますので、早めに相談するようにしてください。